【本会】開催レポート
「NORENユーザ会」(本会):
2018年のWebマーケティングについて考える
去る11月16日、東銀座のJJK会館にて、「NORENユーザ会」(本会)を開催しました。1部(本会)ではSEOについての特別講演やユーザ事例、NORENパートナーセッションの3セッションのご講演と、2部(懇親会)で開催しました。
年1回の本会ということもあり、当日は多数のお客様にご来場いただき盛大に行われました。ご来場いただきました皆様に、この場を借りて心より厚くお礼申し上げます。
【プログラム概要】
・NORENユーザ会活動報告
アクアクララ株式会社 伊藤 純一 様
・特別講演
「モバイルファーストインデックスとは?変化するGoogleとこれからのSEO対策」
株式会社Speee 石川 祐介 様
・NORENユーザ事例
「3つのステージで顧客を理解する!
~マーケティングオートメーションを核にした顧客関係性強化の仕組みづくり~」
株式会社日本能率協会マネジメントセンター 田口 秀孝 様/尾田 尚美 様
・パートナーセッション
「明日から出来るトリプルメディア戦略」
株式会社ウェブスマイル 渡辺 英志 様
・NORENユーザ情報交換会
モバイルファーストインデックスとは?
変化するGoogleとこれからのSEO対策について
株式会社Speee 石川 祐介 様
特別講演は、SEOアナリシスとして200サイト以上のSEOコンサルティングに携わられている株式会社Speee 石川 祐介 様にご講演いただきました。SEO(Search Engine Optimization)は「検索エンジン最適化」ですが、最近ではSXO(Search Experience Optimization)「検索体験最適化」とも言われるそうです。これまでは最適化して順位を上げることがSEOでしたが、検索順位を上げてサイト内に集約し購買行動をしてもらったりサイト訪問者が目的の情報を見つけるまでが最適化であり、広義のSEOとされています。
石川様は、まずSEOを始めるにあたり「どんなユーザがサイトに訪れるのか考え」「ユーザ行動をもとに検索キーワードを想定し」「検索キーワードタイプを見極める」とし、特に検索キーワードタイプでは、KNOWクエリ/DOクエリ/GOクエリの各クエリタイプの検索順位を把握して、どのページを強化・プランニングするかを検討する必要があると語りました。
次にGoogleが発表したMobile First Index(MFI)について、その仕組みと注意点についてご紹介いただきました。MFIとは、従来PCサイトの評価に基いて検索順位が決定されていたものが、モバイルサイトの評価に基づき検索順位が決定されるというものです。これは2015年を境に検索ユーザーがP C(デスクトップ)よりもモバイルが上回ったことが理由だとされています。MFI導入後、集客するメインキーワードによって順位が変わるようなことはほぼないとのことですが、サイト構成によっては影響を受ける可能性があるため対策が必要です。
ダイナミックサービング(Webサーバ上でデバイスの種類を検知して別々のHTMLを配信するよう振り分けたサイト)や、セパレート(デバイス環境ごとに異なるURL・別のHTMLで配信するサイト)の場合、デスクトップサイトとモバイルサイトでコンテンツ量に大きな違いがあると、評価対象となるページが減ることにより検索順位に影響を受ける可能性があります。そこで、各サイトの構成ごとに注意点や具体的な対策について解説していただきました。
SEOは、NORENユーザ会アンケートの「関心があるWebサイト施策」で常に上位となる項目であり、またMFIの導入時期についてもささやかれていることから、皆様熱心にメモを取るなどして聞き入っておられました。
・MFIの対応の必要性、対策など
良く理解できた。
・なぜSEO対策が必要なのかから、
MFI対策、非常に分かりやすかった。
・Google公式情報に加え、石川氏の
見解も参考になりました。
Webサイトからの問い合わせ3.3倍!売上UP!!
JMAM流マーケティングオートメーションとは
(写真左より)株式会社日本能率協会マネジメントセンター 尾田 尚美 様/田口 秀孝 様
ユーザ事例として、能率手帳でおなじみの株式会社日本能率協会マネジメントセンター(以下、JMAM)様にご登壇いただきました。田口様、尾田様ともにICT推進部ソーシャルCRM推進室にて、WEBサイト運営/公式通信販売/SNS/デジタルマーケティングなどを担当されており、これまでの数々の施策とその成果を発表いただきました。
JMAM様では、人材育成事業/手帳事業/出版事業の3本の柱がありますが、その一次顧客は法人でありBtoBであるものの、その先にいる顧客や通販サイトなどBtoCの活動も行っています。JMAM様ではマーケティング活動を3つのステージ(未知の見込み顧客/既知の見込み顧客/顧客)と、サイト訪問者を3つの軸(個人/法人/サイト全体の閲覧履歴)で分類しています。そこでコーポレートサイト・手帳ブランドサイト・ブログなど複数のサイトをGAでクロスドメイン設定し、さらにマーケティングオートメーションツールであるSalesforce Pardot(以下、Pardot)のタグを埋め込むことでサイト動向を一元管理しました。そして、広告で集中的に集客し広告期間(お金をかけている期間)が終わると消えてしまうフロー型資産よりも、サイトへの集客とコンテンツ作成の時間と労力はかかるものの関係を積み上げていくことでいつまでも消えないストック型資産が重要であると考えています。
まず未知の顧客に対してはソーシャル傾聴のシステムを導入し、共起キーワード(どういうワードが自社製品と一緒に投稿されているか)やツイートの可視化を行い、IPアドレスからサイト閲覧者の企業情報および取引実績などがリアルタイムで確認できる仕組みを構築されました。
既知の見込み顧客には、ページに可変エリアを作りPardotの個人情報から、CMSのNOREN6と連携してパーソナライズされたバナーの出しわけやメールマガジンの発行などお客様の情報取得、興味関心を育てることに注力しました。
また顧客に対しては関係性強化やファン化のために、サイトの閲覧履歴をはじめユーザ属性や購入履歴など多岐にわたる複合的なデータを組み合わせ、BIツールを用いて分析し、営業活動に役立てる仕組みを構築したことによりお客様のニーズを把握した上で商談に臨むなど、サイトの問い合わせ数も売上も飛躍的に向上しました。
これにより、当初は関心がなかった他部門の関係者もWebマーケティングに関心を持ち、同じ視座/視点を持てるようになったと語られました。最後に今後の取り組みとして、MA(マーケティングオートメーション)とABM(アカウントベースドマーケティング)の連携を目指すと締めくくられ、JMAM様のデジタルマーケティングへの今後の更なる努力と熱意を感じました。田口様と尾田様は各施策について、取り組み開始時の苦労話や失敗談などもユーモアを交えてご紹介くださり、会場は共感の声や笑いに包まれ、皆様終始興味深く聞き入っている様子がうかがえました。
・MAの具体的な活用例や、取り組みの中で困った
点などをお話し頂けたのが非常に参考になりました。
・PardotとNORENを利用した具体的なデジタル
マーケティング事例を知る事が出来ました。
我々の会社でも取り組めていない施策があり、
大変勉強になりました。
検索エンジンの変化と検索方法の
変化から見るトリプルメディア戦略とは
株式会社ウェブスマイル 渡辺 英志 様
NORENパートナーセッションは、株式会社ウェブスマイル(以下、ウェブスマイル。2023現在、社名はヒューマンデジタルコンサルタンツへ変更)渡辺 英志 様に「明日から出来るトリプルメディア戦略」と題して、日々試行錯誤している戦略について成功事例を交えてご紹介いただきました。
一般的にトリプルメディア戦略とは、ペイドメディアの各種広告(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などの4マス広告や、WEB、屋外広告など)でオウンドメディア(コーポレートサイト/サービスページ/メルマガなど、企業主体で発信するメディア)に集客・誘引し、アーンドメディア(各種SNS)で拡散し評価・ファン化するというサイクルを回すことを言います。ですが、近年スマホ検索の増加によりオウンドメディア、特にリスティング広告が変化してきたと言います。PC検索では検索ワードをいくつも入力していたため、ニッチなキーワードをロングテールメディア戦略としてリスティング広告で獲得することが出来ました。しかしスマホではレコメンド機能によりせいぜい2ワードほどで検索することが主流になったことで特定のキーワードで検索されることが多くキーワード単価が高騰しました。加えて直近の検索エンジンアップデートにより、ユーザにとって有益な品質のよいコンテンツが評価されるようになり短期的な効果は見込めず、長期視点でコンテンツマーケティングを考えなくてはいけなくなりました。そのため思い付きでコンテンツを書くのではなく、年間計画のストーリを考え定期的にコンテンツを上げ続けるのが不可欠であり、途中であきらめずひたすら信じてやりぬく覚悟と体制が必要と語りました。
実際にウェブスマイル様が担当される案件では、このようなコンテンツマーケティングを2年間続けたことにより、競合サイトでは平均エンゲージメント率(いいね!の数やクリック数)が、1.0%以下がほとんどであるところ、常に3%を優に超える平均エンゲージメント率を維持し続けています。
また、サイトへのアクセス数が増えると自社保有のCRMデータの活用で集客精度を上げるプライベートDMP戦略が有効です。GoogleAnalyticsだけでなく、DB/個人情報/購買履歴などを紐づけより適切な広告を表示したり、QlikなどのBIツールで高度な解析を行うことで、次の施策をより効果的な曜日や時間、ターゲットに打つことができます。しかし渡辺様はBIは単なるツールであり手法/手段にすぎず、本来何を見たかったのか、しっかりとKPI管理とROAS(広告費用対効果)の追求が重要であると締めくくられました。
・ロングテールメディア戦略など、今後に有効な
情報を得ることができた。
・オウンドメディアの活用をより考えるきっかけに
なりました。
・各メディアの手法が参考になりました。
情報交換会は、ボジョレーヌーボーで乾杯!
本会の後は情報交換会です。
当日はちょうどボジョレーヌーボーの解禁日。NORENのメーカーであるI-ON COMMUNICATIONS社を迎え、赤ワインをはじめとした飲み物と美味しいおつまみを片手に大いに盛り上がりました。皆様お名刺交換から情報共有されたり、Web施策についての社内ネゴシエーションの裏技をこっそり教えてもらったりと、終始盛況のうちに終了いたしました。
NORENユーザ会では、今後もユーザの皆様にとって有益な会を実施して参りますので、是非ご期待ください!
NORENに関する お申し込み・お問い合わせはこちら
資料請求・デモのご依頼など