株式会社 フジクラビジネスサポート

本格的なグローバル展開を目指し、グループ
全体でコーポレート・ガバナンス実現へ

株式会社フジクラビジネスサポート

株式会社フジクラビジネスサポート 吉田豊孝氏

導入製品:NOREN Content Server

創業から125年、老舗の情報通信接続機器メーカー、フジクラのITシステムを支えているのがフジクラビジネスサポートだ。次世代のブロードバンドを実現する各種の光通信関連製品は海外からの注目度も高いフジクラのブランドを確立し、本格的な海外展開を目指すための一助となっているのが、NORENだ。Webサイトを通じてのコーポレート・ガバナンス確立のために、フジクラビジネスサポートがとった戦略とは何か、NORENが果たす役割についてお話を伺った。

Webサイト・リニューアル~ブランドイメージの確立

株式会社 フジクラビジネスサポート

“つなぐ”テクノロジーで現代の急速に発展する情報通信網をサポートしている株式会社フジクラ。光ファイバーをはじめ情報通信、電子電装、ケーブル / 機器 などの事業を展開している。そして同社と国内24社に及ぶ関連会社のIT整備 / 情報システム全般を支えているのが、株式会社フジクラビジネスサポート(以下、フジクラビジネスサポート)である。
同社はもともとフジクラの一部門であったが、フジクラ情報システムとして2005年に独立。その後グループ会社との合併を経て、2009年にフジクラビジネスサポートが設立された。
株式会社フジクラがWebサイト制作を開始したのは2000年。フジクラビジネスサポートのITサービス事業部ソリューション部マネージャーの吉田豊孝氏は、その当時からサイト構築に携わっている。吉田氏はWebサイトのリニューアルを開始した当時を振り返りこう語る。

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「立ち上げた時は、HTMLファイルを手作業で作成し、アップするという方法でしたが、コンテンツが増えていくにつれ、人手で管理するのはだんだん難しくなっていきました。また、当時、私を含め2人体制で担当していたのですが、他の業務と兼務していたこともあり、情報をアップするにも時間がかかる場合もありました。そこでCMSを導入しようと考えたわけです。ちょうどその時に、アシストさんからNORENを紹介していただき、自分たちが希望する要件が NORENの機能でカバーできるとわかり、導入を決めました。」

NORENの導入が決まり、まずリニューアルをどのように進めるかを検討している中で、吉田氏は参考としていた他社のWebサイトを見ながらあることに気が付いた。
「他社のサイトでは、インターネット上に自社のブランドをきちんと確立していましたが、フジクラのWebサイトにはその考えがまだないことに気付きました。確かその頃は、『Google八分(※グーグルはちぶ:Googleの検索結果から特定のWebサイトが表示されなくなること)』という言葉も使われるようになっており、つまり、インターネットにおいても、きちんと情報が扱われていないと、会社としての価値を認められないという風潮が起こっていました。そこでフジクラもCMSという新しい技術を入れつつ、ブランドの確立も必要だと考えました。」

その他にも検討すべきことはまだあった。NORENはエンタープライズ系ソフトウェアということもあり、安価ではない。さらにCMSを導入してのリニューアルは、デザインやHTML ファイル制作費だけでなく、テンプレート制作、サーバ環境構築など初期費用はかさむ。ただ、運用しやすくなった、ビジュアルが綺麗になったというだけでは意味がないと考え、どのようにリニューアルしていくか、まず戦略をたてることにしたという。
しかしこの「リニューアル戦略」をすすめるためには、まだある課題をクリアしなければならなかった。

Webサイトへの意識を変えるための啓蒙活動 ~リニューアル作業の完了

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その課題とは、(フジクラ)社内で、Webサイトがあることを担当者以外にあまり認知されていないということだ。「そういえば会社のWebサイトがあったね」という程度の認識しかなかった。その状況に吉田氏は、たとえWebサイトをリニューアルしたとしても、社員にすら認知されていないWebサイトならば、一部の取り組みだけに終わってしまい、インターネットで自社ブランドを確立する、という目的も果たせなくなると考えた。
ちょうどその頃、フジクラのロゴの扱われ方も問題になっていた。ロゴ規定はあるもののグループ会社の中でバラバラに使われ、ブランド・イメージを確立させる用途を果たしていなかった。
そこでフジクラ本社のWebサイトがモデルケースになるよう整備し、これをグループ企業全体に広めようと考えた。
「社員の意識を変えることは大変でした。社員を集めて講義形式で啓蒙してもその場限りで終わってしまうことが多い。そこで、社員の中に“キーマン”となる人物 を見つけ、その人に対して、フジクラのWebサイトの問題点とインターネット上でのブランド構築の意義について、1対1で説いていきました。フジクラの人間は人と人とのつながりがとても強い。ポイントとなる人に話すと話が早いし、その人が納得すると行動も早いのです。」

  こうした様々な事前準備を進め、NOREN導入が決まった2007年の下期にリニューアルの作業がスタートした。だがその完了までには様々な苦労もあったようだ。2008年の春に企業情報関連のコンテンツを構築。その後、事業部ごとに製品情報系のコンテンツを半年ごとにわけてリニューアルしていった。コンテンツの収集は広報室が主体となり設立したホームページ委員会が行ったが、この原稿集めが最も大変な作業であった。
リニューアルとともに、製品情報をより拡充させるなどコンテンツの見直しも行い、どの製品をどこに置くのか、どこまで出すのかを各事業部単位で検討してもらった。日頃の業務の合間を縫っての作業だったため、どうしても予定よりは遅れがちになったが、約2年かけて日本語版リニューアルが2009年8月に完了。その後英語版、中国語版を構築し、2010年3月末にリニューアル作業が完了した。
「リニューアル前は800ページ程度だったのですが、リニューアル後は各国語版を含めてその5倍の4,000ページになりました。以前はPDFの資料をそのまま掲載したりしていましたが、そうではなく、きちんとWebサイトのページとして作ろうと思いましたので、このボリュームになったのだと思います。」

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リニューアル後はフジクラ社内にも変化があった。情報をリアルタイムに発信できるということ、企業の責任として確かな情報を発信しなければならないこと、これらの意識が社員の中に芽生えてきたのだ。
現在、コーポレート・サイトの運用はフジクラ広報室に担当者が2名置かれ、コンテンツ配信計画や、事業部からの原稿集めを行っている。一部原稿投入も行っているそうだ。運用のバックアップやその他の原稿投入はフジクラビジネスサポートの吉田氏を含めて3名という体制で行っている。リニューアル前と人数はさほど変わらないがその作業量は大幅に軽減された。
「午前中に原稿が来て、『午後アップしておいて』と言われることもあります。喜ばしいことですが、頼まれる方としては、それはそれで大変で…。でもすぐに情報がアップしてもらえるという意識が浸透した証拠ですね。」

ビジュアル・アイデンティティとコーポレート・アイデンティティの徹底を図る
~グローバル化をすすめるフジクラグループのWebデザインガイドラインを作成

フジクラ本体のWebサイトのリニューアル作業も完了し、運用体制も確立されてきた。次なる目標はグループ会社とのブランド・イメージの統一と、そのためのグループ全体のWebサイトの基本方針の策定だ。
 「リニューアルが完了し、2010年度はどうしようかと考えていました。当初はイントラサイトから外へ(Webサイト)配信する仕組みを作ろうと計画し、アシストさんからコンサルタントの方に来てもらい、検討を始めました。ビジュアル・アイデンティティ規定はコーポレートガバナンス室が主導で進めていましたが、Webサイトにおいてグループ会社との統一規格はなかったので、まずこちらを先に手がけることになりました。」
海外市場への進出がめざましい昨今では、最初のアプローチがWebサイトということが、当たり前のようになってきている。こうした状況はフジクラにとっても同様だが、現状は各グループ会社によってロゴの使われ方が異なるという状況があった。グループ会社がそれぞれ異なる“顔”を持っていては企業としてのブランド・イメージの価値も損なわれ、あらゆるチャンスも減少してしまう。海外進出を本格的に展開するにあたり、ロゴの不統一などビジュアル・アイデンティティが徹底されていないことは不利と考えたのだ。
そこでアシストのコンサルタントと一緒に、2ヵ月半をかけてグループ全体のWebサイト方針づくりを行った。コーポレート・アイデンティティや、ビジュアル・アイデンティティ規定を下に、グループ全体をただ統一するのではなく各グループ会社の独自色をどこまで出せるか、グループ会社の持つ歴史も考慮した上でいくつかのグループに分け、デザイン・ガイドラインを策定していった。また、企業理念やCSRなどグループ全体のブランディングに関わるコンテンツは、リンクなどでフジクラサイトのコンテンツを共有し、製品情報については、掲載する製品情報の要素を共通化してグループ内のサイトで同じメニュー体系とすることで統一感を出していった。

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同時に、グループ会社の中からWebサイトのリニューアルを行う会社を3~4社ほどピックアップ。その中で、最初に手がけたのは大分県にある西日本電線株式会社(以下、西日本電線:http://www.nnd.co.jp/)だった。Webサイトをリニューアルすることや、グループ会社としてブランド・ イメージを統一することの意義などを深く理解してもらうため、吉田氏は、西日本電線へ直接出向いて説明するなどのアプローチを積極的に行った。この西日本電線の取り組みをきっかけに、2011年度下期以降は4~5社を手がけていく予定だ。
「Webサイトについての考え方には基本的に(どのグループ会社にも)OKをもらっており、その存在価値も受け入れられてきていますが、問題はやはり費用と期間。そこで、NORENのライセンスについてはフジクラが全て管理し、各グループ会社の負担を軽減することにしました。そして、コンテンツ制作については、各グループ会社で行ってもらうことにすることで、各グループ会社が協力しやすい状況を提案しています。各グループ会社への展開が進めば、テンプレートの種類も増えていきますし、そうすれば転用することもできるので、制作コストや工数も軽減されてくるのではないかと考えています。」

Webサイトはコーポレート・ガバナンス統一の象徴、世界市場へ更なる挑戦を。 ~リニューアルが果たす新しいビジネス展開

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フジクラグループでは創業120周年にあたる2005年に新たな経営理念「MVCV(M:Mission V:Vision CV:Core Value)」を策定。この経営理念をもとにCSR活動が現在も推進されている。Webサイトの基本方針の策定と実行はこのCSR活動の一貫でもある。
「グループ会社のWebサイト・リニューアルがある程度メドがついた段階で、次は海外支社を検討しようと思っています。コーポレート・ガバナンスを統一する象徴として、Webサイトを見直していくということは、社員にとっても浸透しやすい方法だったと思いますし、同じ企業グループとしての顔、すなわちブランド・イメージを持ったことで、これから新しいビジネス展開が生まれることを期待しています。」と吉田氏は語る。
フジクラグループにとってNORENの導入は、単にWebサイトの効率化をもたらすだけのものではなく、厳しい国内 / 海外市場にグループ一丸となって挑み、グローバル企業として飛躍するための重要なツールの一つとなっている。

※掲載内容は、取材当時(2012年5月)のものです。現時点の情報と異なる場合があります。

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会社名 株式会社フジクラ
URL http://www.fujikura.co.jp/
本社 東京都江東区木場1-5-1
設立 1910年3月18日
事業内容 エネルギー / 情報通信、エレクトロニクス、自動車電装、不動産
従業員数 53,409人(2014年3月現在)

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