テレビ大阪株式会社

テレビ業界の常識
“分単位・秒単位”の更新を実現するNOREN

テレビ大阪

株式会社テレビ・プラス 和田則之氏、熊谷和久氏、西井正信氏(写真左より)

導入製品:NOREN Content Server

「テレビの側からITに取り組む」ことを社是とするテレビ・プラス(テレビ大阪)では、番組Webサイトの約80%を「NOREN化」している。
テレビ・プラス 取締役 西井正信氏、Webコンテンツプロデューサー 和田紀之氏、熊谷和久氏に詳しく聞いた。

 ※今回、お話しいただいた皆様は、テレビ大阪のグループ会社、株式会社テレビ・プラスの社員です。読者の理解の簡便を図り、文中での社名は「テレビ大阪」に統一しました。

■テレビ大阪の業態

テレビ大阪は、大阪、兵庫、京都をエリアとする、テレビ東京系列の準キー局です。最近の話題は、テレビ大阪で企画・制作した「きらきらアフロ」という番組が、全国32局に配信されるようになったことです。系列局の少ないテレビ大阪が制作した番組が全国配信されるのは異例のことです。誇らしく思います。

■テレビ大阪ではNORENをどのように活用しているか

テレビ大阪では、PC向け番組Webサイト「TVOテレビ大阪」、携帯電話向けキャリア公式Webサイト「テレビ大阪携帯サイト」、携帯電話向け自主運営サイト「テレビ大阪モバイルポータル」の合計3種類を運営しています ※1。
いずれのサイトも、NORENを積極活用して、構築、更新しています。特にPCサイトにおいては、サイト全体の約80%が「CMS化(NOREN化)」されています。サイトの80%がテンプレート化されると更新は大分、楽になります。

PCサイトにおいてNOREN化していない箇所は、更新の少ないチラシっぽいページ、一回作って終わりの特番のページ、またInlineFrameを多用しているTOPページなどです。このような更新頻度が少ないページ、あるいは更新が発生しないページは、「人間が一度、頑張って作って終わり」という方式の方が効率的なので、あえてNOREN化していません。
また携帯電話サイトにおいては、テキスト部分のみNORENで管理しています ※2。
 
 ※1:キャリア公式サイトと自主運営サイトでは、内容は、自主運営サイトの方が充実しています。もちろんキャリア公式サイトも充実させたい。しかし、キャリア公式サイトは、コンテンツ掲載の制限が厳しく、企画が固まるのが遅い番組連動などはタイムリーに載せづらいのが現状です。
 ※2:本当は、携帯電話サイトも100%NOREN化したい。しかし、現状のNOREN4には、携帯電話の機種毎の画像サイズ変換の機能が付いていません。画像処理の部分は他のツールで保管しています。NOREN次バージョンでの機能追加を希望します。

テレビ大阪

■「テレビ局ならでは」のWebサイト作りの困難

テレビ局のWebサイト作りで最も困難なことは、サイトの更新タイミングやレイアウトに対する制作スタッフの要求が、極めて厳しい点です。具体的には、分単位、秒単位の厳密さが求められる場合と、非常に少ない制作期間と素材でいかに良いものを提供できるか。

1.分単位、秒単位の厳密さが求められる
テレビの制作現場では、時間は分単位、秒単位で厳守です。60分の生放送は必ず60分で終わらせなければなりません。だからアナウンサーは、1分で喋れと 言われれば1分ちょうどで、30秒でと言われれば30秒ちょうどで喋れます。テレビ局での進行は、何事も分単位、秒単位で正確に進みます。時報がピッ、 ピッ、ピッ、ポーンと鳴ったら「こんばんは、7時のニュースです」とくる。あの感覚です。

そのように正確な時間感覚を持った制作スタッフ は、Webサイトの更新に対しても同じ感覚を求めます。例えば、9時に放映のある1時間番組があったとします。制作スタッフの感覚では、番組が終わってなお、Webサイトのトップページに「今夜9時放映」とバナーが掲載されているのは、許し難いことです。できれば、10時の番組終了と同時に、Webサイトのバナーは「放送終了」に変わって欲しい。いや、テレビ局のWebサイトである以上、そのように正確に更新されて当然だ。これが制作スタッフの考えです。

私の体験談をお話しします。かつて夜中の3時半に、「(アップされるはずのWebコンテンツが)上がっていない。今すぐ上げろ」と制作スタッフから怒りの電話をもらい、夜にタクシーで出社してコンテンツを更新したことがあります。正直、めげました ※。
 ※テレビ大阪のWebサイトは、セキュリティ上の理由により、テレビ大阪の社屋の中からでないと更新できない仕組みになっています。

2.Webページ制作期間の短さ、素材の少なさ
テレビ番組が放送されるまで、その制作スケジュールは非常にタイトです。番組のWebページは番組が放送される約1週間前から立ち上げ、第1回放送終了直後に第2回の予告をアップしなければなりません。逆算すると番組が放送される日の2週間位前から制作を始めたいところですが、実際はその段階では番組の詳しい内容も写真などの素材も無いというのが現状です。新番組のWebサイトを立ち上げる際、[打ち合わせ→デザイン→コーディング→NORENテンプレート制作]という工程をだいたい丸3日で行っています。しかもPCサイトと携帯電話サイト同時進行で。ですから、年4回やってくる番組改編の時期は・・・あまり想像したくありません(笑)。

■NORENは、テレビ局ならではの時間に対する厳密性に、どこまで応えているか

NORENにより、時間に厳密なコンテンツ管理は、ほぼ実現できています。順に説明します。

1.秒単位、分単位の更新
先ほど述べた、「今夜9時放映」を、番組終了と同時に「放映終了」に変えるという課題です。これは、NORENのスケジューラで、正に番組終了と同時に変更できます。コンピュータの時計を正確に合わせれば、1秒の狂いも生じません。2002年に、NORENを使い始めて以来、NORENスケジューラの不具合で、コンテンツの自動変更ができなかったことはありません ※。
 ※使う人間側の設定ミスで自動変更が生じなかったことはあります。

2.FLASHの内容のシーケンス制御
「今夜9時放映」を番組終了と同時に「放映終了」に変える処理は、テキストだけでなく、FLASHでも実現できています。現在、テレビ大阪では、NORENにより、トップページの番組案内FLASHを「制御」しています。通常、FLASHファイルは一つの塊としてしか扱えません。
しかし、NORENの使い方を工夫すれば、内容のカット編集や、疑似シーケンス制御が可能になります。FLASHの中身が制御できるのは驚きです。この機能を知った時、私は、「NOREN、すごいじゃん!」と驚嘆しました。

3.ランキングの制御
「みみヨリぃ!?」という情報番組のPCサイトと携帯電話サイトで視聴者にBBSを使って身近な情報を募集しているのですが、NORENで生成したPHPのプログラムを使用してページにアクセスする度に「新しく投稿された書き込みがあるBBS順」にランキング形式で表示する機能を作りました。
例えば90番目に並んでいるBBSに書き込みがあると1番目に上がります。情報が頻繁に書き込まれるBBSはいつも上位にありますが、ネタが尽きたBBSはどんどん下に下がっていくわけです。もちろんPCサイトと携帯電話サイトのどちらを見てもいつも同じ順位になっています。
これをすることで、視聴者も新しい書き込みを安易に探すことができるほか、制作スタッフとしても視聴者の興味をランキングによって見ることができるわけです。

4.毎週更新の番組のページ
以前のCMSでは、単純な更新しか行えませんでした。そのページ単体を更新するだけで精一杯でした。
しかしNOREN4では、そのページ単位だけでなく、他のページや携帯電話サイトにも一つの更新が連動できます。コンテンツの大元を一箇所更新することで、その更新がサイト全体に波及していくイメージです。

■テレビ大阪がCMSツールとしてNORENを使うようになった経緯

NORENのことは、2002年に、韓国にインターネット事情の視察に行った際に知りました。コンテンツのマルチユースができることや、携帯電話サイト対応やメール配信が便利だと聞いて魅力的だと思い、導入を決めました。韓国I-ON Communications社から、同社と取引のあった日本のIT企業経由で導入しました。当時NORENはまだバージョン3でした。
※アシストがNORENの独占販売権を得たのは2002年からです。

NOREN3は、「使いこなすのが難しいな・・・」というのが正直な感想でした。例えば、携帯電話サイト対応。期待して買ったのですが、実際に使ってみて思ったことは、「“携帯電話サイトに対応”って、一応うそじゃないけど・・・でもこれじゃ、対応してるとは言えないよ!」でした。でも、買っちゃったし、使わなきゃいけないし、参ったなと。
先ほどまで、かつて導入していた使いづらいCMSのことを話すとき「以前のCMSでは・・・」という表現を使いました。これは、実は当時のNOREN3のことです。

それから2002年に、アシストがNORENの販売代理店となりました。翌年2003年に、NOREN4が発表されました。機能や使い勝手は、同じ製品とは思えないほど劇的に改善されており、驚きました。以来、NOREN4を積極的に活用しています。

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■NORENの評価

NOREN4は、3つの点が評価に値します。

1.テレビ局の厳しい時間感覚に対応できていること
ここまで述べたとおりです。

2.操作が簡単であること
現在、Webサイト担当は合計6人。うち2人にはHTMLの知識はありません。それでも日々Webサイトの更新が、楽に行えています。

3.NOREN4は、ツールを作るツールとして使えること
これにも、大きな可能性を感じてます。
Webシステムにおけるプログラム言語(コード)には、HTMLなどタグ、PHPやJavaScript、NORENスクリプトです。いずれもスクリプト言語、つまりアスキー文字列です。
文字列であるならば、通常のテキストと同じく、NORENで配信、更新、制御できます。
熊谷が、ある日、このことに気づきました。以来、NORENを使ってコードを制御し、ミニツールを作っています。この場合、NORENは、ツールを作るためのツール、メタ・ツールとして機能していることになります。

例えば、NORENを使って以下のようなミニツールを制作、制御しています。

①FLASH制御ツール
先ほどお話しした、FLASH内部の疑似シーケンス制御を行うためのツールのことです。

②携帯電話サイト用の絵文字制御ツール
携帯電話サイトにおいて、絵文字を自由に簡単に活用するためのツールです。「テレビ大阪モバイルポータル」など携帯電話サイトにおいては、素っ気ないテキストばかりではなく、テレビ局らしく、絵文字を使ってカラフルに表現したいところです。
しかし、絵文字は非アスキー文字であり、携帯電話のキャリアごとに文字コードが違います。そのコードを覚えたり、入力し分けたりするのは大変です。
そ こで、一つの絵文字と、それに対応するDoCoMo、au、SoftBank各社の文字コード3種類との対応をNORENに登録し、「絵文字の変換テー ブル」を作りました。
このテーブルを利用すれば、各キャリアの絵文字コードの違いを気にせずに、自由に絵文字を使ってWebコンテンツが作れます。最初の登録は大変ですが、一回頑張れば、後は苦労知らずです。

③BBS掲示版制御ツール
テレビ大阪のWebサイトでは、視聴者にBBS(掲示版)を解放しています。しかし、放送局の掲示版は、公序良俗を重視しなければならないので、何でも自由に書き込んで良いわけではありません。掲示板への書き込みを公開するには、「書き込み発生→管理者への通知→管理者による掲載承認→掲載」という手順を踏まなければなりません。
この一連の手順を行う機能を、NORENスクリプトで構築しました。掲示板への書き込み承認の手順と、社内サイトへのコンテンツ掲載承認の手順は、構造的に同じです。違うのは、最初にコンテンツを書く人が、外部の一般視聴者か、それともテレビ大阪の社員であるかの違いだけです。ツールのロジック設定は容易でした。

■今後のNORENへの期待

現状では、テレビ大阪のWebサイトは、未だ番組の告知サイトの域を出ていません。しかし、近い将来には、単なる番組宣伝の枠を超えた、テレビ局ならではのインターネットの大胆な活用を目論んでいます。その目論見を現実化するためにも、テレビ大阪は、今後もNORENの思いもよらない新しい利用方法を見つけていきたいと思います。アシストには今後とも技術面、サポート面での倍旧の支援を期待いたします。互いに良い関係であり続けましょう。

※掲載内容は、取材当時(2008年8月)のものです。現時点の情報と異なる場合があります。

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導入事例を交え、NOREN環境、機能性を体験学習できます。

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会社名 テレビ大阪株式会社
URL http://www.tv-osaka.co.jp/
本社 大阪市中央区大手前1-2-18
設立 1981年1月23日
事業内容 一般放送事業
従業員数 153名(2015年4月1日現在)

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