2014/11/28

自社Webサイトを活かす”マーケティングオートメーション”活用のポイント

(メガ・トレード、サンブリッジ共催)

メガ・トレード×サンブリッジ共催セミナー開催報告

※本稿は、2014年11月28日に開催した企画セミナーの講演録です。

企業において「自社の商品やサービスをもっと知ってもらいたい」「見込み客の成約確度を高めたい」というニーズが高まるにつれて、マーケティング活動の充実と、その活動基盤となる自社Webサイトの活用が見直されています。
このような背景を受けて、"マーケティングオートメーション"の基本的な概念から、サンブリッジ社が実際に自社サイトで導入・運用したことで見えてきた課題と、課題に対するCMSを用いた解決策をご紹介しました。
当日は、多くのお客様にご参加いただき、マーケティングオートメーションへの注目度の高さを感じました。

株式会社サンブリッジ 片桐英毅氏

マーケティングオートメーションの実際と課題

最初のセッションでは、「マーケティングオートメーションの実際と課題」と題して、マーケティングオートメーションの概要から、マーケティングを語る上で欠かせない「潜在顧客」と「見込み客」という言葉の定義に加えて、どのようにして潜在顧客を見込み客に引き上げていくか?という概念をご説明いただきました。
「リード」とも呼ばれる潜在的な自社商材に対するニーズをどのように顕在化させ、どのように最終的なセールスに繋げるかについて、デモンストレーションを交えて、分かり易く紹介していただきました。

例えば、現場では「潜在顧客」と「見込み客」が混同しているケースが多々あるが、これを明確に分けて運用することが重要とのこと。マーケティングオートメーションが適した企業を、BtoC・BtoB企業の別に具体的に例示された上で、実際に導入企業で作成されたというマーケティングシナリオを紹介しながら、具体的な導入ステップも解説されました。
デモンストレーションでは、自社に導入しているマーケティングオートメーションツールを用いて、実際に運用を担当しているサンブリッジの宮本氏から具体的な操作の流れを説明いただきました。

株式会社のれん 榎本健人

Webサイトの価値を最大化!コンテンツ管理プラットフォーム「NOREN」

トリプルメディアと呼ばれる「ペイドメディア」「アーンドメディア」「オウンドメディア」の3種類の中で、あらためてオウンドメディアが注目されている背景を確認しながら、3種類のメディアにはそれぞれ役割があること、その中でも各種SNSサービスの発達によって、アーンドメディアからオウンドメディアへの流入が増え続けていることを紹介。従ってトリプルメディア戦略やオウンドメディアマーケティングを実施することでオウンドメディア、特にWebサイトの露出がこれまで以上に高まってきていると分析しています。
このような背景から、マーケティングオートメーションがそのPDCAの中でコンテンツ充実を不可欠としているように、CMSを活用したコンテンツ管理があらためて注目されているとの見方を紹介しました。

次に、マーケティングオートメーションの導入・運用に欠かせないCMSの具体例として「NOREN」を紹介しました。
NORENはその導入実績の多さもさることながら、保守解約率が低く、ユーザに長く使い続けていただいているという特徴があります。また、静的CMSのアーキテクチャーを採用したHTMLを予め生成しておく形式でWebサイトを運用する仕組みであり、動的な表現の実装は難しいのかと思われがちですが、実はリアルタイムパブリッシュという動的表現を実現する機能が用意されています。また、APIにより他システムのデータをNORENに取り込んでWebサイトに反映するといったことが容易に実現できていることを、実例を交えながら紹介しました。

これらのAPIを活用することで、「Marketo」をはじめとした、マーケティングオートメーションのツールと連携させるといったことも可能であり、他システム連携をしながらNORENを活用するH.I.S.社の事例を紹介してセッションを締めくくりました。

メガ・トレード 川村知義氏

「Webマーケティング活性化に有効なCMSの活用方法とは」

次のセッションでは、メガ・トレードの川村氏がCMSの幅広い活用用途の紹介とともに、マーケティング活動全体を俯瞰する中で、デジタルマーケティングが抱える3つの課題を解説された。

1点目は「デジタルチャネルの多様化」への対応コストです。各企業において、スマートフォンを始めとしたモバイル端末の普及が急速に進む中、多種多様なデバイスへ追随することの負担は大きくなっています。
2点目は「競争の激化」です。デジタルチャネルは従来の媒体と比較すると圧倒的に低コストであり、あらゆる規模の企業がビジネスへの活用と試みています。これにより、差別化を図ることが難しくなってきています。
このような環境において生まれた3点目の新たな課題が「データ量の急増」です。いわゆるビッグデータはビジネスチャンスを生む一方で、すべてを対象とすることは困難である。如何にして、適切なデータを取り出せるかが重要になると述べました。

解決のポイントもおおまかに3つあるとのこと。

CRMやSFAの情報とWebサイトのアクセス情報をマーケティングオートメーションで統合することで、顧客情報をチャネル横断で管理・分析できる。
そして、CMSとマーケティングオートメーションの連携により、あらゆるデジタル施策のコンテンツデータをCMSで管理することで、状況に応じて顧客とのやり取りを(動的に)最適化できるようになる。

さらに、CMSと協調フィルタリングやレコメンドエンジンを連携することができると、蓄積されたデータから「価値」を引き出し、迅速に施策に落とし込み、意思決定が可能になるとのこと。

さらに、グロースハックやAARRRモデルをはじめとした、マーケティング活動に有用なツール類の活用事例から、NORENもAPIを活用することで、活用用途には大きな発展性があることを説明されました。これらの裏付けとして、メガ・トレード社がデジタルマーケティングをサポートした担当したユーザ事例を紹介され、セッションを締めくくられました。

パネルディスカッション

セミナーの最後には、言問社の藤田氏をモデレータにお招きしてパネルディスカッションを開催。
潜在顧客を見込み客へと発展させることでマーケティング活動をセールス活動へ繋げるマーケティングオートメーションの導入・運用に関して、CMSをはじめとした周辺ツールとの連携や、運用の肝となる「見込み客へのプッシュの施策」について各セッションの登壇者がパネラーとなり課題と解決策を模索しました。

※以下、当日のディスカッションの一部抜粋(敬称略)


藤田:マーケティングオートメーション(以下:MA)ツールとしてを導入しようとする企業が抱える課題は?
   特に、MAのツールだけでは完結できず、あれもこれも必要となるケースがあれば教えてください。

片桐:MAは方法論だけが夢のツールのように語られることが多いが、実際に導入し、
   運用ようとすると課題は多い。例えば、MAツールから見込み客に対してアクションできるのは、
   実はメールくらいしかない。当然、それだけでは不足があり、例えば見込み客のスコア(評点)に
   応じて、Webサイトのコンテンツの出し分けをするなど、追加のプッシュ施策が必要になる。
   これらはCMSなどの周辺ツールとの連携が必須になります。

藤田:コンテンツの出し分けって話がありましたが、例えばNORENでも出来るんでしょうか?

榎本:セッションの中でアクセス元の地域を判別してコンテンツを出し分けする例を
   紹介したが、MAツールで設定したスコアをもとにして、コンテンツを出し分けすること
   もできます。

藤田:そうすると、NORENは静的CMSだからパフォーマンスが良いと思っています。
   ページを出し分けするような動的な実装をするとパフォーマンスが劣化するような
   懸念はありませんか?

榎本:NORENの特徴は、サイト全体は静的ページとしながら、出し分けしたいページの
   一部分だけを動的な表現とすることができるので、パフォーマンスを犠牲にせずに
   ダイナミックな表現を実現できるところです。一部の動的な要件があるために、
   サイト前提を動的に実装する必要はありません。

川村:ECサイトで買い物をする際に、カテゴリーを選択して、価格帯を絞り込んで商品を
   探したりするが、これは一見するとダイナミックにコンテンツが入れ替わって
   いますが、実は静的ページとして実装できますよね。それらは、動的CMSと言われる
   仕組みを使わずとも、JavaScriptを用いたクライアント側の表示制御のレベルで
   出し分けすることは比較的容易に実装できるんです。


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