2020/01/29
競合と差がつくWeb上でのおもてなし
-成果が出るWeb接客実践のための3つのステップ-
※本稿は、ヒューマンデジタルコンサルタンツ株式会社、株式会社プレイド との共催により、2020年1月29日に開催した「競合と差がつくWeb上での「おもてなし」成果が出るWeb接客実践のための3つのステップ」のセミナー講演録です。
Webサイトで商品の販売、問い合わせ、会員化などの「収益」を生み出す。
この成果を出すためにお客様に行動を起こさせることがWebサイトの役割であり、そのためのコンテンツ・導線を作ったり施策を打つことがWeb担当者に求められるサイト運用です。それは、ローンチして終わりではありません。
本セミナーでは、効果的なWeb接客(CXの向上)をするためにWeb担当者がやるべきことを3つのステップに分けて解説しました。
■第1部
そのデジタルマーケティング成功していますか?
ヒューマンデジタルコンサルタンツ株式会社
東京本部管掌 エグゼクティブオフィサー 津田 和也氏
「土台となるコンテンツマーケティングを軽視し他のマーケティングに着手していませんか?」という投げ掛けから始まり、津田氏からは、コンテンツマーケティングが重要である理由とその取り組み方についてご紹介しました。
はじめに、デジタルマーケティングの全体像を解説し、顧客の購買行動の変化を背景にオウンドメディアはお客様がモノを購入する際の情報収集や検討の「重要な情報源」となっていることを説明しました。
また、コンテンツマーケティングは、潜在層を主なターゲットとし、潜在的なニーズを顕在化させるための施策であると述べ、潜在顧客を獲得するためのプロセスは、オウンドメディアを解析して、設計→作成→検証を繰り返しながらサービスを向上してくこと(「グロースハック」とも言う)であり、それこそがサイト運用であると語りました。
コンテンツマーケティング成功のコツ
①小さく始めて、小さくても着実に効果を出しながら改善を繰り返しながら成果を最大化していくこと
②BtoB / BtoCビジネスに合わせ、自社の顧客を想定したターゲットづくりをすること
③コンテンツをユーザーに届けるためのルート(流入経路)を意識したコンテンツづくり
④KPI(ファインダビリティスコア、被(外部)リンク数、シェア数、フォロワー数/ファン数、CV率、
PV数/ユーザー数など)を設計しコンテンツ検証すること
特に、③のコンテンツをユーザーに届けるためのルートの話は、最も興味深い内容でした。
PULL(待ち)型:ユーザーが探している回答をコンテンツとしてサイトに用意して持つ
検索エンジン、ブックマークなどから流入する
PUSH(攻め)型:きっかけづくりで偶然の出会い狙い
広告、SNS、まとめサイト、メルマガから流入する
PULL型・PUSH型どちらもオウンドメディアを必ず経由してコンバージョンするため、オウンドメディアのコンテンツづくりが重要である。ただ、PULL型・PUSH型でコンテンツの作り方は異なり「混ぜると危険」であることを強調しました。
その失敗例を交えて、それぞれのコンテンツ制作サイクルを解説しました。
SEO対策として、Google検索エンジンの特徴を捉えたヒューマンデジタルコンサルタンツ様ならではの視点のアドバイスもあり、参加者からも新たな気付きがあり有益な情報だったと好評でした。
■第2部
PDCAを高速に回すためのWebサイト運用基盤づくり
株式会社のれん
営業推進部 部長 八木 康介
八木は、WebサイトはローンチしたらGoalではなくStartであり、リアル店舗の開店と同様にそこからPDCAを回し続けないといけないという認識を改めて確認しました。
過去のデータやニュース等から仮説を立てて、仕入れる商品を選択し店頭に陳列し、売れ行きの確認、売れなかった場合は原因を調査し検証を繰り返す。それと同様に、会社の事業方針、社会の関心の変化、顧客のニーズの変化や競合他社の状況等に応じてWebサイトのコンテンツも常に最適化していく必要があります。
そのようなサイト運用を実現する基盤としてのCMS活用方法、事例をご紹介しました。
CMSの役割と使いどころ
コンテンツの量産のためのCMSに必要な機能とその活用テクニック例
①簡易操作でコンテンツ作成ができる機能と分散運用
②ページ・サイトのコピー機能と横展開方法
③ワンソース・マルチユース機能と複数サイト・マルチデバイスでのオウンドメディア運用方法
サイト導線の改善にCMSが役立つポイント
①お客様にとってわかりやすいサイト構造とサイト管理者にとってわかりやすい管理構造の両立
②Web接客ツールでユーザーの行動を把握し、サイトの導線を即時に修正可能
この基盤があれば、トレンドキーワードの追加、アクセス解析やチャットボット等のログデータに基づいたスピーディなサイト改修も容易になります。
最後に、サイトの品質管理ソリューション「Siteimprove」の活用例をご紹介しました。
アクセシビリティ、SEOなどの観点で、業界ベンチマークに対して自社がどのくらいのスコアを取れているのかを把握でき、スコアを向上させるための具体的な改善箇所も優先順位を付けてリストアップされます。
サイトの品質を上げることがお客様の満足にも繋がり、コンバージョン率の向上の運用サイクルを実現します。
■第3部
ユーザーに選ばれるCustomer Experienceを提供するには
株式会社プレイド
Head of Sales Development 辻村 陽介氏
続いて第3部では、辻村氏にCustomer Experience(CX)に取り組む重要性の解説と、CX向上のポイントについて事例を交えながらお話しいただきました。
CXが注目されている背景
・顧客のニーズや購買行動が多様化(顧客が付加価値を求める傾向が強くなってきている)
・企業と顧客との接点が増加(リアル店舗での接点だけでなくWebサイト・アプリから情報入手できる)
・情報流通の多様化(企業側から発信された情報だけでなく、SNSを通じて情報をシェアする文化によりユーザー側に情報を取捨選択する主導権が移ってきている)
企業側は、モノやサービスをただ世の中に出せば良いのではなく、顧客の体験を考え、知り、改善に生かすことが重要な経営課題になってきていると述べました。
CX(顧客体験)とは、顧客が体験する物理的な価値 + 心理的な価値
辻村氏自身が車や靴を購入した時の体験を例に挙げ、CXは顧客の受け取り価値を高めているのだと説明しました。
また、商品を買ってもらって終わりではなく、長期利用、リピート購入を通じて長くお付き合いしてもらうためには、サイト来訪時・購入時・利用時・来店時など一時点のCXだけを向上させても意味がなく、オンライン / オフライン問わずあらゆる顧客接点における体験を向上させる取り組みが必要であると述べました。
プレイドが提供するCXプラットフォーム「KARTE(カルテ)」は、顧客の属性だけでなく行動を徹底的に把握し、例えば、かご落ちユーザー・VIPユーザー・居住地・滞在時間などでお客様を分類し、お客様に合わせてサイト内外(Webサイトだけでなくメール・アプリ)において顧客へのアプローチをリアルタイムに行えます。
CX向上への取り組み事例として、三井不動産株式会社が運営する三井ショッピングパーク公式通販サイト「Mitsui Shopping Park &mall」で採用された「Feedback with 3S」というCXM(顧客体験マネジメント)サイクルを紹介しました。専用アンケートから得られた顧客の声をチームで共有し、顧客視点を意識しながら改善するというもの。最終的には、改善点を顧客にもお伝えすることで、顧客エンゲージメントを高めることができると同時に、その際もアンケートで改善施策の評価を受けることができます。
顧客の声や反応という「事実」からユーザーがどのタイミングで何を求めているかを捉え、有人接客と同様にアプローチできるようになります。
次に、「ガリバーオンライン」を運営する株式会社IDOMでの事例を紹介しました。
モバイルシフトの加速化を背景にユーザーの情報取得方法が変化し、チャットの重要度が増しています。IDOM様では、提案力の強化ではなく、機会損失を下げる(『あとこれが分かれば購入する』というユーザーの悩みを解消する)ことにフォーカスしてチャットを導入し、ページごとのユーザーニーズに応じてチャットの文言、CTAを最適化していくことで成果をあげられました。
その他の事例やCXに関する情報発信の場としてプレイド様が運営するメディア「CX Clip」をご紹介し、セミナーを締めくくりました。
セミナーにご参加いただいた方々は、競合がひしめく業界で自社サイトにどのように来てもらうのか、自社のマーケティング戦略と照らし合わせながら熱心に聴講されていました。
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